家賃を滞納してトラブルになってしまうと、いろいろと専門用語が飛び交う展開になり、「どういう意味?」と頭を悩ませることも多いと思います。
そこで今回は、日常生活ではあまり使わない、家賃滞納トラブルならではの重要な用語について、いくつか解説していきます。
物件を貸している人・会社・団体などです。
その物件の所有権を持っている人・会社・団体が、貸主となります。
等があります。
家賃滞納トラブルの場合、「債権者(さいけんしゃ)」となります。
物件を借りている人・会社・団体などです。
家賃滞納トラブルの場合、「債務者(さいむしゃ)」となります。
家賃を滞納してしまった場合、家賃保証会社が、借主に代わって、滞納分を貸主に支払います。これを代位弁済と呼びます。
滞納者に対して、支払いを促すための書類です。
郵送で送られることが一般的ですが、場合によっては、手渡しや郵便受けへの直接の投げ入れも行われます。
督促状は、一般的には法的な強制力はありません。
督促状に「請求:○○万円」と金額が掛かれていても、裁判により“債権が確定”していない場合は、支払い義務が明確にあるとは言えません。
「督促が来た=覚えが無くても、払わないといけない」と考えてしまうと、架空請求詐欺の被害に遭いやすくなります。
慌てずに冷静に対処しましょう。
「この内容の郵便物を、確かに受取人に届けた」と証明できる郵便です。
あくまで、届けた事実を証明するだけであり、“内容の正しさ”を証明するものではありません。
従って、内容証明郵便には何の強制力もありません。
ただし、内容証明郵便で送った手紙や郵便物は、裁判での証拠能力を持ちます。
逆に言えば、普通の郵便で送ったものは、裁判になったとき、証拠として使えるかは不明となります。
そのため内容証明郵便は、「裁判の準備をしている」「本気で督促をしている」といった、債権者(取り立てる側)の姿勢を示す手段として利用されることが多くなります。
裁判所による手続きの一つです。
債権(滞納家賃)を回収したい貸主や家賃保証会社が、裁判所に支払督促の申し立てをし、債務者(家賃を滞納している人)が異議申し立てをしなかった場合、そのまま債権者の言い分どおりに債権が確定します。
一日で判決を出すことを原則とする、スピード重視の簡易的な裁判です。
60万円以下の金銭の支払いを求める場合のみ、利用できます。
少額訴訟の途中で、話し合いによる解決(和解)に移行することも可能です。
訴えられた側が異議申し立てを行うと、通常訴訟(通常の裁判)に移行します。
裁判所の判断により、「債務者がいくら支払わなければいけないか」が確定することです。
この債権の確定が出て、さらに“差し押さえ執行命令”が降りなければ、差し押さえをすることはできません。
債務者(家賃を滞納している人)の財産を、強制的に回収する命令です。
債権者(貸主や家賃保証会社)が裁判所に訴え、債権が確定し、さらに裁判所から差押執行命令を得なければ、差し押さえは実行できません。
裁判所の判断ナシに、差し押さえを実行し、家財道具や金銭を撤去・処分することは、違法な自力救済あたると考えられます。
裁判所や警察などの司法手続きを取らずに、自分の力で、問題を解決してしまうことを指します。原則として違法行為です。
家賃滞納の例であれば、本来は裁判所からの差押執行命令が無ければ、家財など財産の差し押さえはできません。これを、正式な裁判手続きを経ずに、自分の判断・実力で行ってしまうと、自力救済となります。
「住居に住むことができる権利」とされていますが、法律用語で「居住権」という権利は実は規定されていません。
そのため、人によって解釈にばらつきがあり、明確な定義はできない状態となっています。
家賃トラブルにおいては、家賃滞納者が立ち退きを要求された際、「自分には居住権がある」と主張するケースが往々にして見受けられます。
しかし、こうした主張の正当性が認められるかどうかは、最終的には裁判所(司法)の判断となります。
人が「人間らしい生活」を送るための、最低限の環境を求める権利です。自然発生的に生じる権利(自然権)の一つとされており、経済力や社会的な立場、国籍などを問わず、すべての人に認められる権利です。
「人間らしい生活」の中には、最低限の衣食住が含まれています。家賃トラブルにおける、いわゆる居住権も、この生存権の中の一つと考えられます。
日本国憲法においては、第3章第25条1項にて、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定されています。